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-株式会社ゼネット技術ブログ-

数式で考える進捗管理

 


はじめに

システム事業部 石塚です。

進捗管理について数式で考えてみたいと思います。

進捗管理は数式だけできるものではありませんが、若年層の方が作業を任されたときにお役に立ててもらえれば幸いです。

作業状況把握の方法または、作業依頼受領時の見通し確認の方法と考えていただければ。

私も現場でご縁のあった年長の方にご教示いただき、作業状況の把握が分かりやすくなりました。

 

進捗管理の数式

進捗管理に必要な数式は以下になります。

見積もりやWBS・小日程を作成するときには自然と利用する数式です。

例えば、500本のプログラムを毎日5本ずつ10人が作成した場合に、完成までどのくらい日数がかかるか。

以下のように簡単に算出できます。

(作業量)500本のプログラム
(生産性)5本/日
(要員数)10人

作業遅延の仕組み

経験がない人はいないと思いますが、作業では進捗の遅延(作業遅延)が発生します。作業遅延は数式にすると以下で表せます。

これは作業量、生産性、要員数が計画の想定と違っていたという状況です。
考えられる理由としては
(作業量)500本のプログラムが急遽1000本になった。
(生産性)毎日5本作る見込みが実際は2本が精いっぱいだった。
(要員数)10人でする予定が5人になった。

理由はともかく数式の左辺が右辺より大きくなる。

これが作業遅延発生の仕組みです。

 

作業遅延対策

仕組みを理解すると作業遅延対策は明確になります。
作業量の削減、生産性の向上、要員数を増すことが遅延の解消になります。

極端な言い方をすれば、遅れを解消するには左辺内容を計画が立てられた状態よりも良い状態にすればいいのです。

 

進捗の管理

ここまでが数式で考える進捗管理です。

今回の説明では期間を重点に置き説明してきましたが、数式を組み替えれば好きな要素を中心に考えることも可能です。

この数式を使えば依頼を受けるときに、その計画が妥当性を判断することもできます。早い段階で、計画の誤りを検知することで対策が軽くなります。

 

最後に

問題を出したいと思います。

この問題を通して、上記の数式の利用と遅延の怖さを再確認してください。
【問題】
2週間(10日間)で、1000個のブロックを毎日100個ずつ10人(1人当たり10個)で作成する予定の作業がある。

1週間(5日間)を経過した時点で進捗率は予定の80%となっていた。
残り1週間で作業を完了させるためには、最初の1週間の何%増しで作業をしなければいけないか。

 

【答えと解説】

50%増しになります。

 

問題の状況を単純化して以下の表のよう整理しました。

進捗管理の数式で考えると予定は以下になります。

(作業量)1000個のブロック
(生産性)10個/日
(要員数)10人

実績を確認すると5日目を終えた時点で400個(予定500個の80%)作成しています。予定では毎日100個作る計画でしたが、毎日作ることができたのは80個でした。

(作業量)400個のブロック
(生産性)8個/日
(要員数)10人

では残り5日(6日以降)で残っている600個を作るためにはどうしたら良いでしょうか?何もしなければ2.5日超過してしまいます。

600個を5日で作るためには毎日120個作ることができれば作り切れます。

では毎日120個作れるようにするにはどうすれば良いでしょうか?
1人が作る個数を12個/日にする。(生産性↑)

または、作る人の数を15人にする。(要員数↑)

こうすれば5日で作る終えることができます。

 

問題の最初の1週間の何%増しか?ということについては、5日目までの毎日80個作っていた実績値と、6日目以降の120個を作るとした算出値を使って50%増しとなります。